とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

なんとなくだが

「哲学」ということばが「信念」や「人生観」といった意味で使われていると違和感と少しの不快感を覚える。「あの人の経営方針には哲学がある」とか「君も仕事に哲学を持って働け」みたいな文言を見聞きすると眉をひそめるのを止められない。なぜ信念でも人生観でも理念でも志でもなく、「哲学」ということばでなければならないのか。哲学ということばによって指示されるべき営みに信念や人生観や理念や志というものが含まれていることはありえても、哲学ということばの意味がそれらと等しいということではないはずだ。本の売り上げを多くするためのキャッチコピーとして「哲学」ということばを使うなら、せめて蚤の金玉八ツ割ほどでもいいから本当に「哲学して」ほしいものだ。