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とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

崇拝の禁止

誰かを頼ることはよいことだ。個人の能力でできることには限界があり、個性によってその得意分野も異なるのだから、相互互助によって各人の欠点を補填することは目的を達成するための方法として自然である。誰かを敬うこともよいことだ。こうした相互原理はお互いに対する尊敬の念を基礎として成り立っているからだ。だが、誰かを崇拝し、妄信し、傾倒することは悪いことである。それは自らの尊厳を擲つ行為であり、自分自身を売り渡すことに等しい。それは最も恥ずべき行為であり、最悪の思考停止である。人は何かによりかかったり、もたれかかったりするような生を生きるべきではない。現実としてそうできているかどうかはともかく、理想としてそれを目指すべきであるという理念を否定するような人間は、尊敬の対象からは外さなければならない。最も根源的な意志の問題において、人は楽をしてはいけない。