とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

非原子論的破壊力学は可能か?

物が壊れない、すなわち、物体が衝撃力から生じた亀裂の進展によって、いくつかの破片に分裂しないような世界は可能か。可能であろう。その世界ではすべての物体は剛体なのだということで割り切れる。ここに原子論は必要ない。では、物が壊れるような世界において、原子論によらない破壊の説明は可能だろうか。物がバラバラになることが可能な世界で、物体を構成する最小単位が存在するという命題を否定した上で成り立つ理論を構築することはできるのだろうか。その世界での原子がこの世界でいうというところの素粒子と一致する必要はないかもしれない。しかし、物が壊れるという描写が意味を持つような世界の人間が原子論を否定するということは、端的に論理的矛盾ではないのかと思う。このことがいつからか俺の中での悩みの種になっている。つまり、原子論を否定するなら、物が壊れるような世界を描写してはならない、ということになるからである。この問題はいかにして解決ないし克服できるのだろうか。今の俺にはわからないままだ。