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とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

熱狂

救済というものがもしあったとして、それが何らかの神秘体験を必要とするというのであれば、それは程度の低い下劣な手法と言わざるを得ない。すべてをかき乱す熱狂に身を置くことは容易い。そんなものは錠剤やら注射やら葉っぱがあればいつでも実現できる安いものだ。神秘体験とはまさにこの種の薬物的狂騒の一種に過ぎず、脳味噌に電極を刺して幸福感を強制的に感じさせる類の非倫理的暴挙である。もちろん、倫理や道徳に縛られないまま幸福に至ることのできる不幸な人間はタブレットを噛み砕きながらピストンを押し込んで煙を吸い込めばよい。正道の絶えた極限においてはそれもまた方便かもしれない。ただ俺は変に肌の青白い千鳥足の歯抜けと話などしたくない。俺は何が正解なのかを知っているわけではないが、少なくともそれが正解の一つですらないことぐらいはわかっているつもりだ。