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とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

単純な誤り

「人生は思い通りにならない」という事実から「だから人生は人間の力を超えた絶対的な存在者に動かされている」と結論付ける文章を見た。これは単純に誤りであろう。前者から後者を論理的に導くことはできない(後者を前提とするなら前者を導けるかもしれない。しかし、それは原理的に証拠立てることのできない命題であり、事実ではない)。人間が無力であり、思い描いた通り生を得ることができないというのは端的な事実である。しかし、そこから絶対者は出てこない。そこからはただの願望であり妄想である。つまり、自分の人生を動かしている存在がいるとすれば、その存在に跪き、拝み、尊び、敬い、犠牲と賄賂を差し出すことで懐柔することができたなら、その存在を実質的に制御することが可能となる。これはつまり、間接的に思い通りの人生を生きることができるということを意味する。もちろん、そんな話はありえない。人生が思い通りにならないのは最初に確認したように事実である。なぜ事実かといえば、どのような手段を用いても不可能だからだ。そこから逃れることはできない。それを認めることからでしか建設的な言動は生まれない。