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とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

罪を犯した者は黒と呼ばれ、罪を犯していない者は白と呼ばれる。遠藤周作にいわく、日本人にとって罪とは穢れることらしい。確かにその感覚はよく理解できるように思う。エンガチョとかもそうだし(俺は正直世代じゃない気もするが)、鬼ごっこもそうだ。あれは鬼から逃げる遊びだが、鬼に触られた者が鬼となり、それを染した者は人間に戻れるというところがいかにも日本人らしい。鬼とは穢れであり、病であり、遠ざけておくべき不浄なのだ。体臭の強い子どもが他の子どもから疎まれ、その子の触った部分を汚れたといい、彼に触られたところには何か目に見えない汚れが付着し、それを他人に触って染すといういじめがあるのも、原点はそこだろう。汚れた者、きたないもの、臭いものは悪いものなのだ。
このような価値観を知ることは重要である。何の因果か俺も日本人として生まれ、日本の文化にどっぷり浸かってここまで生きてきた。したがって、俺が望むもの、すべきだと思うこと、俺にとって重いもの、善悪と聖邪、是非と真偽の基準には、逃れようなく日本人的感覚が染み付いている。それを肯んずるか否かは抜きにして、それが何を源としているかは知っておいた方がいいのだろう。