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とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

締結

並大抵の頭では想像すらできない汚らしい悪が存在する。それらの悪を実行して憚らない餓鬼畜生の類どもは、人としての誇りと尊厳とを砂粒一つほども持ち合わせてはおらず、それゆえに他人の誇りと尊厳とを軽んじ、嘲笑し、蹂躙することに何らの躊躇も慙愧も覚えない。すでにして外道魔性たるそれらの所業はすべからく断罪されねばならない。だが恐ろしいことに、善悪を平衡する天秤が実在しないがゆえに、罪悪の質量に相応の劫罰を受くべき汚穢らが、今なおのうのうと表参道を闊歩している現実がある。さらに恐るべきことは、それら害獣の甘言に誑され、脅迫に屈服し、俺までもが靦然たる化生に堕することもありうるということである。それはない話ではない。誰もが生まれたときは純真無垢の赤子であった。あるいはあるときまでは人であったかもしれない。それでも、偶然と縁起が積み重なり、魔羅の誘惑に耳を貸し、唾棄すべき者が生まれ出でたのだ。俺とていつそうなるかわからない。そうならないという絶対の約束などどこにもありはしない。そして、そうなってしまったときには、すでに縁者朋友からの同情憐憫は望みえない。一度堕ちれば屑として、路傍の側溝に掃き捨てられる。そうなってからでは遅いのだ。万事修繕は叶わないのだ。
何も聖人君子になれといっているのではない。最低限の誇りと恥を忘れず、ただの横生に成り下がることを何よりも忌まわしいことであると思えといっている。他人に恐怖されて愉悦を感じるはもはや人ではない。人になるのは難しい。人であるのも難しい。気を緩めれば誰でも獣となり、魔となる。仏にはなれずともよい、ならずともよい。せめて人間道を全うしたい、全うしたいとの願望を忘れないようにしたい。引き締めよ。己が心身を締結せよ。三面記事のネタにはなるな。