とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

骨を焼く青い光、肉を溶かす白い稲妻

明晰であること、確実であること、疑いなく揺るぎようのないものであることのみを理由に、経験的に検証不可能な論拠に基づくある種の断定的な思想を、自身の行動の指針に採用することはひどく危険な選択である。その思想は単純で、解釈が容易であり、一見して間違っているとは到底思えず、普遍的な真理を表現しているとしか考えようがないようなものかもしれない。しかし、そうであればあるほど、そのような思想を拠り所として、書かれたものや聞こえたものの集積にただただ盲従するような生活を送るべきではない。安らぎ、満たされ、寿がれ、歓喜充足を得るためだけに、自分の行為、思考、価値観などが正しく理に則った正当で適法なものであることを保証してくれる何かに、縋りつき、身を任せてはならない。それは控えめにいっても恥ずかしく、愚かしい行いであるといわざるをえない。
遍く諸方を照らす青い光は骨を焼き、毒となって痛みもなく人を死に至らしめる。暗闇に轟く白い稲妻は肉を溶かし、腫瘍となって生涯人を苦しめる。光に誘われてその周囲を右往左往するのは羽虫のやることだ。炎に飛び込み羽を焦がす蛾の二の舞を演じたくなければ、安易安直な救済のシンボルに群がるようなことは慎むべきである。