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とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

そうではない!

そうではない、そうではない! 望ましき狂気とは、好ましき猟奇とは、かくも統一と調和を欠くものではありえない。お前のそれは散乱しているだけだ、とっちらかっているだけだ! もしやもしや、心に浮かんだ徒然を、迸るパトスとやらに任せるまま、ただただひたすら長々と、書き連ねていきさえすればよいのだと、本当にそう思ったのか? それは大した早合点だ。飴代わりに錠剤をシートごと噛み砕くような真似をするからそんなことになる。薬剤ごときで華やかなる狂乱に手が届くのなら、ミボシの一族の名など歴史の片隅にも記録されなかったろう。泣き喚いて醜態を晒せば世間の同情を引けるものと勘違いする女々しい人間でもあるまいに。そんな奴らが衆目を集めるものか、注目されるはずがない。病人であると豪語するだけで病院にいきもしないのは貧乏人の詐術である。真の病人、光り輝く栄光の難病患者とは、医者が匙を投げた己が奇病を治療するために自ら医者になってしまう有能さと、それでも根治不能という現実を背負わされる救いのなさがなければならない。お前にはいずれ救急車に乗った王子様が現れてくれるだろう。疲れた顔をした中年のおっさんがお前のメシアだ。下手なことはいわん、早いとこ寝てしまえ。俺が欲しているのは狂人の着ぐるみを来た芸人ではない。常人の皮を求めてさまよい続ける純真無垢な鬼なのだ。