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とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

政に似て非なるもの

雑記

いきなり肩を叩かれて、振り返ると知らない人が立っている。彼はなぜだかにこやかに、片手を上げて挨拶をする。「スマーハ! アリンジャ・ニメロン?」――そんなことばは聞いたこともない。そもそも顔も見たことのない人間に聞き慣れない言葉を投げかけられる所以がどこにあるのだ。これがまだしも同じ文化圏なら救いもあろう。眉をひそめて意図を尋ねれば、こちらの不快が伝わるのだから。不幸なことに、彼のお里は杳として知れない。
俺の不信などどこ吹く風、彼はまだまだ朗らかに、分節化不可能な音の連なりを奏でてくれる。なんと妙なる響き! もう涙が出そう。いっそ愛想笑いでもしてやろうか。誤解されこそすれ、所望のコミュニケーションが成立するとは思えないけど。
いきなり現れた理解不能な隣人とどう接していくべきか? 征服か、融和か、隔絶か。いよいよもって、ことは政治に昇華する。