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とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

寄与の有無

通念に反し、哲学と概念工学が等しいものでないことは明らかである。しかし、哲学が概念を用いて行われる営みであるならば、概念工学の理論ないし成果を取り入れることはありうることであるし、それによって従来の帰結や了解が少なからぬ変更を被ることもまたありうることであろう。逆に、哲学によって発明され、洗練されてきた諸概念を概念工学が改訂しあるいは解体し、異なる理論展開につなげていく可能性も十分考えられる。哲学者と概念工学者が互いの仕事を蔑ろにし、互いの活動を黙殺することは大いなる損失である。哲学と概念工学は学問としての存在の価値と意義が重複した冗長な体系なのではなく、相互の交流を通じて同様に発展を遂げるべき重要な学問であると思われる。
哲学はあからさまに役に立たないし、そもそも役に立つことを志向しない。一方で、概念工学はあからさまに役に立つこと目的とし、その成果の良し悪しは最終的に役に立つかどうかの審級において判断される。上述の関連性が真ならば、前者は後者を通じて役に立つことが可能である。表面的な利用可能性のみだけで、これらの学問の必要性を云々することは短絡的であるし、実際上危険であるとすらいえると俺には思われる。