とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

開けてはいけない蓋

人生が無意味であることを嘆く人があるが、よくわからない。彼らが何をそんなに恐れているのか皆目見当がつかない。逆だ。人生が無意味であるということは最上級の幸福である。恐れるべきは、この事実を覆す真実が見つかってしまうことである。人生を外的に意味付ける何がしかもし発見されでもすれば、人はその意味と目的の奴隷となり、その生はその意味と目的に対する寄与貢献の大きさを尺度として評価されてしまう。それはまったく地獄のように残酷なことだ。無意味さこそが人生に自由を与え、無意味さこそが人生をより豊かに彩るのである。