とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

重いもの

仏教が真理の飽くなき探求を貪りであると説くなら、仏教は俺を救わない。事実と事実から帰結する法則を網羅し、すべてを論理の下で明らかにするのでなければならない。嘘と偽りを駆逐し、根絶することこそ至上である。その途上で目を背けたくなるような真実を知ったとしても、あまりに過酷な現実に気が触れたとしても、そうすべきであるという規範は揺らがない。真理の果てに狂死するならそれこそが本願であろう。幸福も安らぎも、それが虚ろな幻の上に成り立つものなら、それは唾棄されるべきである。救いがないということが事実として知れたのなら、そのことに安堵して死ね。