とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

ねつがくのちからってすげー!

熱学思想の史的展開〈1〉熱とエントロピー (ちくま学芸文庫)

熱学思想の史的展開〈1〉熱とエントロピー (ちくま学芸文庫)

熱学思想の史的展開〈2〉熱とエントロピー (ちくま学芸文庫)

熱学思想の史的展開〈2〉熱とエントロピー (ちくま学芸文庫)

熱学思想の史的展開〈3〉熱とエントロピー (ちくま学芸文庫)

熱学思想の史的展開〈3〉熱とエントロピー (ちくま学芸文庫)

図書館の新着コーナーにあったので読了。熱力学はいまだに苦手意識があるというか、よくわからないまま放置してる感があるが、やはりこうした歴史的な経緯と合わせて解説されると分りやすい(ごめんなさい正直途中の式の導出とかは結構飛ばしました(汗))。特に熱力学第二法則はエネルギーの散逸のみを意味しているのではなく、物質の散逸をも意味しており、クラウジウスによるエントロピー概念は当初これらの和として定義された、という話はなるほどと思った。物質の拡散によってもエントロピーは増大し、環境汚染を除去し元の状態に復元するためには夥しい量のエネルギーを必要とする、という話はいまでは当たり前かも知れないが、著者は30年前から(あるいはクラウジウスは100年以上前から?)警告していたというのだからすごい。
後はトムソンによる絶対温度の定義がカルノー関数によってなされるという話が興味深かった(やっぱカルノーって天才だわ)。熱力の授業で習ったのかどうかさえもはや記憶も曖昧だが、こうして何度も勉強するというのは本当に大事なことだなぁと思った。昔は一度聞いた話だから飛ばしていいやなんて不真面目に聞き流していたけど、年々自分の不出来さが身にしみて分かるにつれて、何度も何度も繰り返し聞かないと身につかないことが分かってしまった。一生これ勉強ですな。