とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

己を知り、己に利するを知る

空観というのも結局は価値観の一つ、考え方の一例であるに過ぎない。確かにそれは事実の観察から導かれた指針であるが、それでもそれはそう考えることもできるという程度のものであり、そこに共感する者は心の安寧を得るだろうが、そうでない者に安心を与えはしない。教えというのは押しなべてそういうものなのだろう。宗教は自分の身の丈にあったものを好きなように選べばいい。だから、宗教について知ることも大事だが、それ以上に自分について知らなければいけない。自分の価値観をまず明らかにすることで、それに親和する最適な教えを見つけることができるのだ。