とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

2015-01-01から1年間の記事一覧

さんすうってむずかしい

今の小学校では「足し算」を「合併(合わせていくつ)」と「増加(増えるといくつ)」に分けて教えるそうだ。もしも「小学校で教えているのは『さんすう』であって『数学』ではない」と主張するのなら、「足し算」の記号に「数学」と同じ「+」を使うのはや…

哲学的、文学的、衒学的!

優れて哲学的な物語が優れて文学的であるとは限らないし、逆もまたそうである。しかし、優れて哲学的な物語は表面上明晰判明であろうし、優れて文学的な物語もまたそうであろう。「哲学的」とは表現や文章が難解で晦渋であることを意味しないし、「文学的」…

液膜のRayliegh-Taylor不安定性に対する線形安定性解析

注意 以下の記述は私的な備忘録であり、内容の正確さに関しては一切保証いたしませんので、悪しからず。 問題設定 図のように壁面に塗布された薄い液膜の2次元流動を考える(たとえば、風呂場の天井に付着した水の膜など)。壁面表面から鉛直下向きに$z$軸を…

米語と英語の発音

アメリカ英語とイギリス英語の発音が違うというのは何となくわかっていたが、具体的にその違いを音声学的に説明してくれているサイトがあって大変勉強になった。 アメリカ英語とイギリス英語の発音の違い よく言われる「日本人にはイギリス英語の方が発音し…

害益の有無よりも

「宗教は有害で暴力的でろくでもないからなくしてしまおうぜ」という主張と、「いやいや宗教にも価値があるし色んなところで役に立つから残しておいた方がいいよ」という反論は、「宗教は有益か否か」という同じ問いに対する異なる立場の是非だ。しかし、こ…

意味の流れ

自然現象は認識者にとっての記号である。ある事象(たとえば「雨が降る」)は認識者に対して様々な意味をもたらし、認識者を通して新たな事象、すなわち別の記号を生産する(たとえば「傘をさす」「軒下に駆け込む」)。記号言語という設定はこの関係を部分…

物理的に埋め込まれた言語

言語学的概念が物理的な環境の中に埋め込まれている、という発想は確かに面白い。温度の実体が分子の熱運動であるように、言語学的概念を直接的に物理学的概念に還元することまではさすがにできないだろうが、類似の発想でもって言語学的現象を解釈すること…

つまらないものたちの台頭

何かをおもしろい、あるいはつまらないと感じるときの基準は千差万別、人それぞれであるとよくいわれる。確かに人の好みは本当に多種多様で、ある人にとって好きで好きでたまらないものが、別の人にとっては全く興味の持てないつまらないものにしか思えない…

首振りすぎて顔が痛い

右を見ても狂騒、左を見ても騒擾……大声を出した方が勝ち、上手い嘘をつける奴が有利、嘲り笑うための語彙力が豊富であればなおよし。自分に都合がいい情報は積極的に公開し、弱点となる事実はひた隠す。頷けば善人、背けば悪人、そんな態度は程度の低いフィ…

機嫌の悪い日は生理、という物言いの根本

肋を開かれて正気でいられる人間もそうそういない。己が太っ腹をかっさばけばピンクのはらわたがのたくっていることに気づくことの方が少ない。糞袋の畜生でしかないヒトは、普段は自分を「人間」だと思い込んでいる。しかし、人間でいられる時間、人間であ…

乾いた恭順

道徳に従うべきであることの根拠とされる事由がことごとく無化されてしまったのだとしても、われわれは道徳に従うしかないという理由だけで道徳に従うしかないのではないか。道徳を守るべき積極的な理由のすべてが骨抜きにされてしまっても、頼りない消極的…

秘匿によって

汗ばむ掌後ろ手に、泳ぐ視線はうつむいて、声の震えを押し隠せ。われらは妙なる秘匿によって涙の川に参列する。無病を装い、無謀に扮し、無垢なる無常と見せかけよ。誰も彼もを欺いて、あらゆる嘘を押し通せ。われらの秘匿は綱渡り、命の綱での曲芸である。…

木を隠すなら森の中、人隠すなら灰の中

見るも哀れな痛みの代わりに、あなたは秘め事を胸に潜めるべきだ。つまりそれは完全なる避難の計画、祝福と喝采の褥に安らぎうる数少ない方途の一つ。入念に準備され、周到に用意された思考と想像を、あなたは集め、積み上げなければならない。しばしば染み…

唐突な幸福

本当に唐突な幸福だけが救いとなる。何の前触れもなく、何の兆しもなしに、全てを奪い去り、置き換えてしまう衝撃力に貫かれて停止する。気づかぬまま、知らぬまま、ご大層ないいわけを覆い隠し、有象無象の前例の中に埋もれる同情すべき複製品に成り果てる…

千の口に列ねる

願わくば、沈黙の死の下に沈むのではなく、饒舌な死の上に安らぎたい。自分の意思が身近な人に誤解されたまま、自分の意志の内実が十分に知られぬ内に、自分の遺志の詳細な注釈も残さず、口をつぐんで無惨に頓死を迎えたくなどないのだ。生きている時分にさ…

SIP法によるPoisson方程式の数値計算

注意 以下の記述は私的な備忘録であり、内容の正確さに関しては一切保証いたしませんので、悪しからず。 線形方程式の反復解法 次の線形方程式を考える。 \begin{align} \label{eq:lieq} \mathbf{A} \mathbf{u} = \mathbf{f} \end{align}ここで、$\mathbf{A}…

ほとほと

自分のバカさ加減に呆れ返るばかりだ。なぜこうも飽きもせずに初歩的なミスを繰り返し、しかもそのことに気づきもしないのか? どうしてこんなに絶望的に視野が狭く、頭でっかちの石頭で、理解力も応用力も実行力も乏しいのか。一番の問題は、この救いようの…

冷血

折に触れて、自分は冷血な人間なのであろうという自覚を持ってきたつもりではあったが、親に直接お前はそういうやつだろうからなどと、その冷血さを前提にした発言をされてしまうと、やはり心にくるものがあるな。もちろんそれは単なる事実で、俺がそういう…

E3覚書

この前のE3で発表されたタイトルの中で個人的に気になったのは「MGSVTPP」と「Dark Souls III」、そして「人喰いの大鷲トリコ」の3作だった。まぁ正直なところ、メタルギアはやれればやってみたい程度にしか考えてない。青春まっただ中にプレイしたMGS1〜3に…

持たざるを嘆かず

たとえそれをそれと明示的に名指すことができなかったとしても、ある種の情感を伴った経験の存在を理由に、あるものをよいといいまた悪いと評することは日常よくある行いである。価値判断を行う対象に対して、的確で論理性を持った言語表現を当てはめること…

漏言舌禍を招く

気に入らないこと、思想信条に合わないこと、不義の横行にしか思えないことを見聞きしたとき、大抵の、つまり道徳的に慎重でない人たちの多くは、彼らの「正義」にそぐわぬ不埒な連中を大きな声で口汚く罵る。彼らの大半は、しかし当然ながら当事者ですらな…

文法的一致

超越者の超自然的介入に奇跡と神秘を見るキリスト教的自然観ではなく、かくある世界のありのままの在り様そのものに奇跡と神秘を感じるスピノザ的自然観こそ現代に必要な視点であろう。このような感覚はその実キリスト教徒でも持ち合わせている。つまり、す…

新しいフィクション

公衆道徳を担保し機能させるためのフィクションとしての宗教は、社会における重要性と多大な有益さを持つことがほとんど誰にも明らかであるにも関わらず、そのあからさまな虚構によって自らの有効性を損なっている。われわれは、社会にとって道徳が必要であ…

反逆ではなく新たな秩序の到来

腐った血は抜かねばならぬ。弱った手足は切り捨てよ。狂しい程の痛みと夥しい屍の上に、瑞々しい命が立ち上がる。再生の丘、蒼い黎明に響き渡る産声こそ福音の笛の音である。 古き人々は栄華を極め、同時にその衰耗を知った。彼らは神々に地上を委ねた。 神…

狂気と獣

狂気といって何を思い浮かべるか? たとえば目を背けたくなるような猟奇。熱い血に濡れ、荒い息を吐き、屍肉のこびりついた刃を振るい、人体とその尊厳を同時に斬り刻むような凶行は、確かに狂気に属する。あるいはそれを人は「獣」のごとき振る舞いであると…

鳶は鷹を孕まない

自らの手になる仕事が形を得て世に出るのは喜ばしいことばかりとは限らない。しばしばそれは子を産み育てる親の立場に比喩される。だがその実その喩えは成り立たない。子どもであれば親はその誕生を喜び祝う。たとい望まれぬ醜い庶子であっても、その生誕は…

争点

宗教が真理を語っているどうかが宗教紛争の引き金となりうる論戦の主たる争点ではないのだとすれば、宗教にまつわる諸々の争い事は地上から消え失せてしまうのではないか? 事実そうなっていないのだということがその最も確かな反証であるように思われる。宗…

その勝利を悼む

神とは元々「呼びかけにこたえるもの」であったという。しかし、それは神が神々であった頃の話であろう。いま神が民族宗教の小さな主から世界宗教の大きな主となっているとすれば、神は「呼びかけにこたえないもの」でなければならない。被造物の可能性を制…

愚痴りたくもなる

艦これ最終話、一言でいうならヒドかったな。確かに今までの出来からして色々お察しではあった。それでも、終わりよければすべてよしの精神で最終話ぐらいはそれなりの仕上がりにしてくれるかとも思ったんだが、有終の美を飾るというわけにはいかなかったよ…

俺のダメ絶対音感も限界と見える……

すげーいまさらだがダークソウルのロートレクの役者さんはデモンズ/ダークソウルのパッチと同じ人らしい。まじかよ……いわれて聞き直してもまだ実感できんわ。高音と低音で真反対の声だし。ちなみに役者さんの名前はWilliam Vanderpuyeでロンドン出身の人だ…