とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

自覚的な濫用

『知の欺瞞』を初めて読んだのは確か四年ほど前のことだったと思う。これはソーカル事件の顛末とその後巻き起こった論争に対する当事者たちの主張をまとめたもので、とてもおもしろい本である(文庫版が出ていたのをいま知った。今度買いに行こう)。私見と…

像の像

もしも魔術を像の逆写像のようなものとして設定しうると考えているなら、それは不可能である。なぜなら、ある事実の像はそれ自身また事実であって、サハーの一部であるからだ。像と原像は同じ世界の内部にあり、像だけがサハーの外にはみ出ているということ…

そうではない!

そうではない、そうではない! 望ましき狂気とは、好ましき猟奇とは、かくも統一と調和を欠くものではありえない。お前のそれは散乱しているだけだ、とっちらかっているだけだ! もしやもしや、心に浮かんだ徒然を、迸るパトスとやらに任せるまま、ただただ…

レイヴン、極秘の依頼だ

青春時代に触れたコンテンツ(マンガ、小説、アニメ、ゲームその他もろもろ)がその人の人格および思想の形成に対して甚大な影響を及ぼすというのは広く流布した「俗説」だと思う(だからこそゲーム脳やらオタクバッシングやらの過剰に熱狂的な運動が古今東…

隠喩

宗教用語はすべからく隠喩であるらしい。それが意味を持つのは、そのことばが通常の使用を否定する形で運用される場合に限られる、のだそうだ。そうであるなら、宗教に関する懇切丁寧な説明とは、その隠喩の解説であろう。すなわち、その説明は当該宗教に由…

肥満

お前はもっと太るべきなのではないのか? なぜそこまで誇らしげに、骨と皮ばかりの貧相な体を見せびらかしているのか。不器用なステップをどんどかと踏み、心を外してクルクルと回るその様は、まるきり糸繰り人形だ。風に吹かれて路傍を転がる棒切れみたいに…

せんないことだが

はてなブログの新着記事のタイトルを新しい方から流し読みしていっていつも思うのは、当然だが俺が書くような胡散臭い記事なんてほとんどないということだ。ブログを書いている大半の人が記事として取り上げるものは、自分が紹介したい時事やツールやコンテ…