とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

基準の統一

身体の調子が悪いと自覚している人が、その原因を「悪霊に呪われているせいだ」と信じ込んでいるとしたら、大抵の人間はそれを間違った信念だと考えるだろう。しかし不思議なことに、何かいいことがあった人が、その原因を「神さまのおかげ」だと信じ込んでいる場合には、その思考はそこまで多くの批判を受けることがない。最も批判されるべきは、このダブルスタンダードである。一方では超自然的要因を解釈に含めるが、他方ではそうしない。俺がいいたいのはこのような二枚舌をやめるべきだということだ。科学的根拠に基づいて重要な判断が行われるべきであるという信条に同意するのであれば、その人はいかなる事象に対しても超自然的現象をその原因として解釈するべきではない。科学的判断が適用可能な事態であるにもかかわらずそれを行わないというのは、先の信条に同意する人間のやることではない。判断の基準は一律的に運用されるべきだ。都合のよい結論を得るためだけに、基準を場当たり的に変更することは、混乱と矛盾の温床でしかない。