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とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

並び立ちえない二つのもの

設定

法則の併存はありえない。もしも矛盾対立する二つの法則というものがあったとすれば、どちらかが誤った仮説であるか、もしくはそれらを統一するさらに高次の法則が成り立っているのでなければならない。物理法則と非物理法則が同時に並び立つことはない。必ず一方が他方に対して優勢であるか、それらを包摂するより高次の法則から系の状態に応じてどちらかが導出されうるのでなければならない(それはたとえば、系を記述する一つの方程式に二つの異なる意味を持ったソース項があり、系が静止していれば第一項は0になるとか、代表的なスケールのオーダーが非常に大きいか小さいために第二項は無視できるといった場合に近しいのではないか)。
重要なことは、法則という概念の明確化である。魔法や魔術といった虚構の概念を思考するさい、人はつい法則の概念を自明なものとして、それ以上追求の必要がないものと想定しがちである。しかし、実際には法則の概念は公理ではない。それ自体はいまだに科学哲学的な議論の場において俎上に載せられるものであろう。最も誠実な設定作りは、このような虚構を記述する言語の意味や用法それ自体にも自覚的でなければならない。新しい専門用語の意味を解説するだけでは不十分だ。その解説に現れる、その説明においてはもはや専門用語とは通常みなされない用語の意味こそが、最初に明らかにされなければならない。