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とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

用途

設定

もしも魔法が使えたら、あなたは何をしたいと思うか。その問いに答えるためにはもちろん、魔法で何ができるかをあらかじめ知っていなければならないが、魔法という限りは、ある程度のことはできると考えてよいだろう。さてしかし、魔法の存在が、結局は目的を達成するための手段以上のものではないとされるなら、それは既存の手段を置き換える形でしか用いられないだろう。魔法が使えるという事実は、人間の欲望を塗り替えるものではない。魔法が使えようと使えまいと、人は金持ちになりたいし、良き伴侶に恵まれたいし、つまりは月並みな幸福を得たいと願っている。魔法で何でもできるとしよう。しかし、その「何でも」は有界である。それは魔法の制約ではなく、人の願望に限界があるからだ。
魔法に固有の問題は、魔法を前提することによって初めて現れる、まったく新しい目的が設定されてはじめて意味を持つだろう。よくできた科学は魔法と区別がつかない。なぜか。そもそも人は、科学と魔法を本質的には区別していないのである。だからこそ、よくできた、本当によくできた科学が手に入るのなら、魔法は必要ないのだ。魔法が必要とされるためには、まず人が、魔法と科学を区別していなければならないのである。エブリデイ・マジックとライトノベル的ファンタジーを分ける基準はここにあるように思われる。