とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

あかがねの翼は射殺された。輝く無数の石火矢が狙い違わず撃ち抜いたのだ。かぶらを吹き鳴らし、螺旋を描いて墜落する巨体を、連なる峰々はこぞって串刺しにした。清らかな鮮血が天地あめつちの間を立ち渡り、健やかな断末魔がわだかまる安寧を引き裂き、紅葉と見紛う茜の羽が風にまかれて家々の窓に打ち付けられた。木々が音を立てて笑っていた。獣たちが馬鹿みたいに走り回っていた。鳥たちは急き立てられるように森の外へと飛び立っていった。ただ痩せ衰えた溌剌さだけが、影に潜るように泥の中を這いずっていた。
それは凄烈な狩りであった。幾度も繰り返され、止むことのない最も美しい殺戮であった。血染めの黎明は東雲の袂に横たわり、その死をもって黒々とした祝福を明け渡したのだ。その命を喰らうものは、夥しい躯の内の一つでも記憶に留め置くべきであろう。