とつとつとしてろうとせず

ひまつぶしにどうぞ。

2年振りの読者

昔ネットのイベントに投稿した小説もどきがいまさらながら他人に読まれたという話を身内から聞いた。身内のネット上の知り合いというその人はご丁寧に感想まで書いてくれていた(こうすればもっと面白くなるんじゃないかな的なご指摘だった)。とはいうものの、こちらとしてはその後とんと小説なぞ書いていなかったので、ありがたい反面なんだかよくわからない気分になった。昔着ていた服のポケットから期限切れの当たりくじが出てきた、みたいな(なんか違う気もするが)。
作家になる人間はおもしろかろうがおもしろくなかろうが湯水のごとく病的なまでに何がしかの作品を書き続ける人間だ、というような話を聞いたことがあるが、それでいうと俺は作家には絶対なれない。なにせ俺の執筆活動もどきというのは完全にその時々の気分に支配されているので、継続的に散文を吐き出し続けるという高等な芸当は俺には無理なのだ。おもしろい小説に刺激を受けて自分でも書いてみたくなって書き始めたはいいものの三日で飽きてやめる、というその手のあるある話に該当するワナビー以下の存在でしかないのである。
恐れ多くも「新しく何か書かないの」的なことをいわれたが(やり取りの媒介者は身内なので、正確にはいわれたのは俺じゃないけど)、それこそ「その時の気分次第である」としかいえない。確かに今でも何か物語っぽいものを書きたくなる時がないわけでもないが、大抵次の日にはそんな気分は失せているものだから。まぁ、いつの日か興が乗った暁には何かまた書いてみようかね。運が良ければ、また感想なぞもらえるやもしれんしな。
……もちろん、出来については推して知るべし。